エンジン冷却系統


ラジエターの破損、水漏れ、冷却不足は、エンジンにとってオーバーヒートなどの致命的なダメージを与えます。


ラジエーターの一般的な寿命は、 普通自動車が8年~12年程、軽自動車が6年~10年程といわれていますが、 最近のラジエーターは、タンク部分が樹脂で製造されているため、冷却水を定期的に交換していない場合、劣化した冷却水によって早期に破損につながる可能性があります。


高圧洗車機の至近距離噴射でダメージ を受ける場合もありますので、高圧洗車機で洗車する際は注意が必要です。


また、冷却水はオーバーヒートを防ぐと共に、エンジン内部を防錆する大切な役割もあります。
交換時期は一般的に約2年と言われていますが、主成分であるエチレングリコーレンと言われる物質は基本的に時間の経過とともに酸化、腐食が進み、劣化します。



 

 


 







 

冷却系統の不具合事例と原因・注意点など


■リザーバータンクの液量が増減する

正常です。
冷却水はラジエーターキャップにより一定の圧力で加圧されていますが、水は温度により膨張するため、余分な冷却水が、リザーバータンクへ送られます。
逆にエンジンが冷えると共に、冷却水はリザーバータンクから戻っていきます。


■リザーバータンクから冷却水が噴き出す

ある意味正常ですが、点検する必要があります。
ラジエーター内のエア抜きが不完全の場合や、突然暑くなった春先などに起こることがあります。
エア抜きが不完全な場合であれば、これである程度のエアが抜けた事になりますが、念のためエンジンが冷えた時にラジエターキャップを開け、冷却水が満水であるか点検が必要です。

ボコボコと泡が噴き出し、リザーバータンクの液量が少なくなる場合は、冷却系統で漏れが発生している可能性があります。シリンダーヘッドのガスケット抜けなど、エンジンに致命傷を与える場合がありますので、早急に点検が必要です。


■常にリザーバータンクの液量が変化しない

異常です。
特に夏場の長時間の走行、渋滞などでは、必ず液量が増えます。増えないという事は、ラジエーター内の液量が少なくなっている可能性があります。
リザーバータンク内の冷却水は、正常であれば増減します。
冷却系統に多くのエアが混入している場合、内圧が高くならないため、冷却水の漏れが確認できせん。この状態で、気付かず走行を続けると、冷却系統の樹脂部分など変形・破裂・破断でオーバーヒートとなります。


■ハイプレッシャーのラジエターキャップは良いか?

車種や走行状態によっても変わりますが、諸刃の剣です。
加圧により沸点を上げる事で、蒸気の発生を抑えられますが、必要以上の加圧により漏れが発生したり、最悪深刻な故障を引き起こす可能性もあります。
新車時に装着のラジエターキャップで十分です。


■ローテンプのサーモスタットは良いか?

基本的に、暖気に時間がかかるだけです。
冷却液の温度が低くなるため、冷却効率自体が下がります。
また、オーバークールとなった場合、エンジンの劣化を早めます。
但し、旧車などでオーバーヒートや冷却水の漏れなど懸念がある場合、水温を低めにしておくことで、内圧を下げ、深刻な故障を回避するためにはなるかも知れません。
ハイプレッシャーのラジエターキャップよりは、安全です。


■漏れ止め剤は良いか?

万が一の漏れにも対応できるという優れものですが、固形化した漏れ止め剤がラジエーターキャップの負圧バルブを詰まらせたり、冷却水の通路を詰まらせるなどの事例があります。

万が一、漏れ止め剤で漏れを止めた場合は、ラジエーター内部を洗浄するのが望ましいかも知れません。 あくまでも保険程度なので、漏れ止め剤での修理は控えるべきでしょう。


■ラジエターキャップから冷却水や蒸気が出る

ラジエターキャップの劣化です。
すぐに交換して下さい。


■水温計が上昇し続ける

すぐに冷却水を点検して下さい。
水漏れ等が確認できない場合、冷却ファンやウォーターポンプ等が不具合の可能もあります。
いづれにしても、修理工場で直ちに点検を受けて下さい。
そのまま走行するとエンジンに致命傷を与えます。


■水温計が上がらない

サーモスタットの異常です。
オーバークールの場合、エンジンの劣化を早めますので、交換して下さい。


2018年01月25日